iPad(第9世代)の後継モデルとして、iPad(第10世代)が登場しました。
いわゆる「無印iPad」は価格が安い代わりに、他のモデルと比較してスペックで劣る点が特徴でした。
しかし、iPad(第10世代)は他のモデルと同じように、ホームボタンがなくなり、USB-Cが使えるようになるなど、かなりの進化を遂げました。
その反面、iPad(第9世代)から価格が約2万円高くなっている点が評価の分かれ目と言えるでしょう。
この記事では、iPadの愛好家の筆者がiPad(第10世代)の評価やおすすめ度合いなどを書いていきます。
記事の結論
iPad(第10世代)の評価
中途半端なiPad
多くの人におすすめはしにくい
iPadを購入しようかな〜、と思っている人は参考にしてください。
iPad(第10世代)のスペックとiPad(第9世代)の比較
Apple公式サイトの情報をもとに、iPad(第10世代)のスペックの紹介とiPad(第9世代)との比較をします。
iPad(第10世代) |
iPad(第9世代) |
|
画面サイズ |
10.9インチ |
10.2インチ |
容量 |
64GB/256GB |
64GB/256GB |
価格(Wi-Fiモデル) |
64GB:68,800円(税込) 256GB:92,800円(税込) |
64GB:49,800円(税込) 256GB:71,800円(税込) |
価格(Wi-Fi + Cellularモデル) |
64GB:92,800円(税込) 256GB:116,800円(税込) |
64GB:69,800円(税込) 256GB:91,800円(税込) |
チップ |
A14 Bionicチップ |
A13 Bionicチップ |
カラーバリエーション |
シルバー/ピンク/ブルー/イエロー |
スペースグレイ/シルバー |
カメラ |
12MP広角カメラ |
8MP広角カメラ |
フロントカメラ |
12MP超広角カメラ(横向き) |
12MP超広角カメラ |
端子 |
USB-C |
Lightning |
ロック解除 |
Touch ID(電源ボタン) |
Touch ID(ホームボタン) |
Apple Pencil |
第1世代 |
第1世代 |
フルラミネーションディスプレイ |
なし |
なし |
キーボード |
Magic Keyboard Folio |
Smart Keyboard |
高さ |
248.6mm |
250.6mm |
幅 |
179.5mm |
174.1mm |
厚さ |
7mm |
7.5mm |
重量(Wi-Fiモデル) |
477g |
487g |
重量(Wi-Fi + Cellularモデル) |
481g |
498g |
ディスプレイ |
Liquid Retinaディスプレイ |
Retinaディスプレイ |
スピーカー |
2スピーカーオーディオ(横向き) |
2スピーカーオーディオ(ボトムのみ) |
出典:Apple公式サイト
変更点をポイントを絞って解説します。
1.チップ
チップの性能のイメージは以下の通りです。
チップ性能
- iPad(第10世代)
→iPhone12
- iPad(第9世代)
→iPhone11
チップの性能が大幅に上がった、ということはないと言えます。
動画視聴やブラウジングが中心であれば、どちらも問題なく使えるでしょう。
2.ディスプレイ
iPad(第10世代)はLiquid Retinaディスプレイで、iPad(第9世代)はRetinaディスプレイとなっていますが、正直そこまで変わりません。
ディスプレイ
- iPad(第10世代)
→画面の角が丸まっている
- iPad(第9世代)
→画面の角が角ばっている
Apple公式サイトにある画像でも確認しましょう。
出典:Apple公式サイト
3.スピーカー
どちらもスピーカーは2つですが、ついている位置が違います。
スピーカー
- iPad(第10世代)
→上下に1個ずつ
- iPad(第9世代)
→片側に2個
iPad(第10世代)は上下に1つずつスピーカーがありますが、iPad(第9世代)は片側に2つあります。
横向きにしたときに、iPadから出る音が左右からか、片側のみか、という違いだけです。
とはいえ、個人的には両側にスピーカーがある方が動画視聴をより楽しめるため、大きな違いとなっていると考えています。
4.端子
iPad(第10世代)では、ついにUSB-Cに対応するようになりました。
端子
- iPad(第10世代)
→USB-C
- iPad(第9世代)
→Lightning
とても大きな変化です。
USB-Cがいいという人の方が多いのではないでしょうか。
5.価格
iPad(第10世代)はiPad(第9世代)から比較すると、端子や画面サイズの変更、ホームボタンの有無など、大きく変わった進化を遂げたと言えるでしょう。
その分、価格は高めになっている点に注意が必要と言えます。
価格
- iPad(第10世代)
→68,800円(税込)
- iPad(第9世代)
→49,800円(税込)
カバーやフィルム、スタイラスペンなど、付属品を購入することを踏まえると、約2万円の差は大きいと言えます。
iPad(第10世代)の良い点
iPad(第10世代)の良い点をまとめます。
良い点
- USB-Cで充電できる
- 画面サイズがiPad Airと同じ
- スピーカーが両サイドにある
- フロントカメラの位置
- Magic Keyboard Folioが使える
前モデルと比較して、良い点と感じたのはこの5点です。
特に、USB-Cが使えるようになったのは嬉しいですね。
いろいろな機器につなげやすくなりました。
画面サイズがiPad Airと同じになり、スピーカーが両サイドについていることから、動画をよく視聴する人には、iPad(第10世代)は良いモデルとなっています。
iPad(第10世代)のフロントカメラの位置は、横向きにしたときの画面の真ん中になります。
web会議やビデオ通話をする機会が多い人には嬉しい点です。
画面を見ながら会議をする際、フロントカメラが真ん中にあるため、目線や顔の角度が正面になります。
現状、Magic Keyboard Folioに対応しているモデルはiPad(第10世代)だけです。
Magic Keyboard Folioとは、トラックパッドがついたキーボードです。
大きな特徴は、キーボードとスタンドが取り外し可能な点になります。
Magic KeyboardはiPadを宙に浮かせるタイプであるため、キーボードとスタンドの取り外しはできません。
動画視聴をするときに、スタンドだけをiPadにつけて持ち運べるため、便利だなと思います。
注意点としては、Magic Keyboard Folioの価格が38,800円と高額な点です。
iPad(第10世代)と同時に購入すると、10万円を超えます。
iPad(第10世代)の悪い点
iPad(第10世代)の悪いと感じた点をまとめます。
悪い点
- 価格が高い
- Apple Pencilが第1世代対応
1.価格
iPad(第9世代)はiPadのエントリーモデルの立ち位置であったため、最安価格が5万円と、他のモデルと比較して価格が抑えられていました。
一方で、iPad(第10世代)の最安価格は7万円です。
iPadのエントリーモデルとして考えたとき、iPad(第10世代)は高いように感じます。
iPad Air5が約9万円で購入できることを考えると、どうしてもiPad(第10世代)の価格が高く感じてしまいます。
現在、iPad(第10世代)が販売されていますが、iPad(第9世代)の購入も可能です。
iPad(第9世代)が販売されたときは、iPad(第8世代)の販売はなくなりました。
今回は両方とも販売されているため、AppleはiPad(第10世代)をiPad(第9世代)とは別の進化を遂げた別モデルと認識しているのかもしれません。
2.Apple Pencil
Apple Pencilの第1世代はLightning端子で充電します。
iPad(第10世代)はUSB-Cであるため、単体ではApple Pencilが使えないことになります。
iPad(第10世代)でApple Pencilを使う際は、変換アダプターを使い、Apple Pencilの充電とiPadへの接続を行うようです。
正直、かなり不便だと思うので、Apple Pencilを使う人であれば、かなりのマイナス点です。
iPad(第10世代)でも使えるApple Pencil以外のスタイラスペンを紹介しておきます。
紹介した商品のような、Apple Pencil以外のスタイラスペンを使う場合は、そこまで大きなデメリットにならないかもしれませんね。
iPad(第10世代)とiPad Air4との比較
iPad(第10世代)はiPad Air4と価格が近いことから、比較されがちです。
現在、iPad Air4の新品はApple公式サイトからは販売されていませんが、整備済製品として購入できます。
整備済製品とは
返品などの理由で、新品として販売できない製品を、Appleが不備を直し、クリーニングした上で販売しています。
新品ではないものの、1年間の保証付きで、新品に近い状態の製品となっています。
また、Appleからではなくなりますが、中古品であればネットショップやセカンドショップでも購入できます。
では、iPad(第10世代)とiPad Air4を比較していきましょう。
iPad(第10世代) |
iPad Air4 |
|
画面サイズ |
10.9インチ |
10.9インチ |
容量 |
64GB/256GB |
64GB/256GB |
価格(Wi-Fiモデル) |
64GB:68,800円(税込) 256GB:92,800円(税込) |
|
価格(Wi-Fi + Cellularモデル) |
64GB: 92,800円(税込) 256GB:116,800円(税込) |
|
チップ |
A14 Bionicチップ |
A14 Bionicチップ |
カラーバリエーション |
シルバー/ピンク/ブルー/イエロー |
スペースグレイ/シルバーローズゴールド/スカイブルー/グリーン |
カメラ |
12MP広角カメラ |
12MP広角カメラ |
フロントカメラ |
12MP超広角カメラ(横向き) |
7MP FaceTime HDカメラ |
端子 |
USB-C |
USB-C |
ロック解除 |
Touch ID(電源ボタン) |
Touch ID(電源ボタン) |
Apple Pencil |
第1世代 |
第2世代 |
フルラミネーションディスプレイ |
なし |
あり |
キーボード |
Magic Keyboard Folio |
Smart Keyboard Folio Magic Keyboard |
高さ |
248.6mm |
247.6mm |
幅 |
179.5mm |
178.5mm |
厚さ |
7mm |
6.1mm |
重量(Wi-Fiモデル) |
477g |
458g |
重量(Wi-Fi + Cellularモデル) |
481g |
460g |
ディスプレイ |
Liquid Retinaディスプレイ |
Liquid Retinaディスプレイ |
スピーカー |
2スピーカーオーディオ(横向き) |
2スピーカーオーディオ(ボトムのみ) |
出典:Apple公式サイト
※iPad Air4はApple公式サイトで新品が販売されておらず、購入する店によって異なるため、空欄にしています。
比較すると、画面サイズや搭載されているチップなど、共通する点が多いことがわかります。
大きな違いを、いくつかピックアップして紹介します。
1.Apple Pencil
Apple Pencil
- iPad(第10世代)
→第1世代
- iPad Air4
→第2世代
iPad Air4は第2世代のApple Pencilを使えるため、iPad(第10世代)と比較するとかなり使い勝手が良いです。
Apple Pencilの第1世代と第2世代の違いは「充電方法」と「ダブルタップ機能の有無」です。
第2世代のApple Pencilは、iPadの側面に貼り付けて充電できます。
接続も貼り付けるだけで完了するため便利です。
加えて、ダブルタップ機能が付いており、ノートアプリを使用している際は、ペンと消しゴムをApple Pencilの側面をダブルタップするだけで変更できます。
2.フルラミネーションディスプレイ
iPad Air4にはフルラミネーションディスプレイが搭載されています。
Apple Pencilをよく使う人にとっては、大きな違いです。
フルラミネーションディスプレイが搭載されていると、ペン先と線のズレが抑えられます。
実際に書いてみないと違いはわかりにくいため、家電量販店で試してみてください。
Apple Pencilを頻繁に使う予定がある人は、フルラミネーションディスプレイが搭載されているiPadがおすすめです。
iPad(第10世代)とiPad Air4を比較すると、iPad Air4に軍配が上がります。
「絶対に新品じゃないと嫌!」という人を除いて、iPad Air4をおすすめします。
iPad(第10世代)の評価は?おすすめできる?買うべき?
個人的な評価としては、イマイチです。
評価を一言で表すなら「中途半端なiPad」です。
特に、iPad Air4と価格が近い割に、スペックが負けていると感じる点が大きなマイナスと捉えています。
iPadのエントリーモデルは、引き続きiPad(第9世代)かなって感じです。
iPad(第9世代)の後継、というよりも別モデルのiPadと考えた方が個人的にはしっくりきます。
もし、私が初めてのiPadを購入するならiPad(第10世代)を購入するのではなく、以下のいずれかを選択すると思います。
- 価格の安いiPad(第9世代)を購入する
- 整備済製品でiPad Air4が購入できるタイミングを待つ
- 数万円多くお金を出してiPad Air5を購入する
特に、長くさまざまな用途にiPadを使いたいと考えている人には、最初からiPad Air5をおすすめしますね。
とはいったものの、一部の人にはiPad(第10世代)をおすすめできますので、まとめていきます。
iPad(第10世代)がおすすめの人
iPad(第10世代)をおすすめする人の特徴は以下の4点です。
iPad(第10世代)がおすすめな人
- デザイン
- ビデオ通話やweb会議をよくする
- Apple Pencilを使わない人
- Magic Keyboard Folioを使いたい人
1.デザインに惹かれた
iPad(第10世代)はカラーバリエーションが多く「この色のiPadが欲しい!」と考える人もいるかと思います。
動画視聴やブラウジング、ゲームなどがメインの使い道の人であれば、デザインに惹かれてiPad(第10世代)の購入をおすすめできます。
2.ビデオ通話やweb会議をよくする
現状は、フロントカメラの位置が横画面にしたときに真ん中に来るモデルはiPad(第10世代)のみです。
ビデオ通話やweb会議をよくする人であれば、パソコンと同じような使用感となるため、より使いやすくなるでしょう。
3.Apple Pencilを使わない
Apple Pencilを使う予定がない人、あるいは、非純正のスタイラスペンの使用を考えている人は、iPad(第10世代)でも良いかもしれません。
iPad(第9世代)と比較して、画面サイズが変わったことで、より快適に動画視聴できる点やUSB-Cが使える点などを評価する場合、プラス2万円の価値があると考える人もいるでしょう。
とはいえ、整備済製品や中古品に抵抗がないなら、iPad Air4の方がおすすめではあります。
4.Magic Keyboard Folioを使いたい
トラックパッドを使える点と、スタンドとキーボードの取り外しが可能な点は、iPadの使い勝手の向上に大きく貢献します。
とはいえ、純正の製品にこだわりがない人であれば、他のモデルを使いつつ、Magic Keyboard Folioのようなキーボードを使える気もします。
まとめ
個人的なiPad(第10世代)の評価は「中途半端なiPad」です。
価格とスペックを他のモデルと比較すると、iPad(第10世代)よりも安いiPad(第9世代)や価格は高いが性能が良いiPad Air5、中古品にはなるが、ほぼ同価格でスペックの良いiPad Air4がおすすめです。
iPadのエントリーモデルは、引き続きiPad(第9世代)といった感じでしょうか。
iPad(第10世代)は、デザインが気に入った人、ビデオ通話やweb会議をよくする人にはおすすめできます。
その他の人は、別のモデルを買った方がいいかなと、私は思います。
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